2015年7月3日金曜日

消費者行動論まとめ

消費者行動論は、文字通り消費者の行動を学問的に観測したもの。
消費者の行動を1つ1つ整理して、結びつけながら考えるとわかる。


消費者行動論は主に2つに分類される。
消費者の商品選択
消費者に影響をもたらすもの
これらを区別して学んでいく。

消費者の商品選択

まずは、商品の選択について。
消費者が購入に至るまでのフローは以下の通り。
ニーズの認識

ニーズを満たす商品の探索(情報探索)

状況に応じた選択

購入

以上の段階に分けられ、それぞれの段階に応じた消費者の行動を考えていく。


ニーズの認識

ニーズには、一次と二次がある。
一次は生理的な欲求、二次は社会的・心理的な欲求である。
行動の駆動力となる内的状態を「動因」、行動を生起させる外的要因を「誘因」と言う。

また、マズローは、ニーズを5つ欲求段階としてまとめた。
1,生理的ニーズ
2,安全ニーズ
3,愛情ニーズ
4,尊敬ニーズ
5,自己実現ニーズ
ただ、これらは普遍的ではない。

モチベーション・リサーチ

購買動機を直接的に調べようとしたのが、モチベーション・リサーチである。
調査の対象のひとつが、シンボルとしての消費である。
これは、商品には物理的な機能以外にも、シンボル的な意味合いが含まれているということ。例えば、星条旗など。

S-Rモデル(反応注目型モデル)

消費者の行動を、刺激(stimulus)と反応(response)から観察するもの。例えば、2割引した際の、消費者の購買変化など。この場合、SとRの間がブラックボックスとされてきた。

S-O-Rモデル(構造明示型モデル)

S-Rモデルに、消費者の生活体(organism)を加えたもの。 つまりは、消費者の精神的状況を考慮したモデル。


ニーズを満たす商品の探索(情報探索)

商品を探索する際に、記憶が大きな役割を果たす。

記憶

記憶の主な働きは情報の符号化・貯蔵・検索である。
情報の符号化とは、外部情報を意味のある内部情報に変換すること。貯蔵とは、その知識を長期に保持すること。検索とは、必要に応じてそれらを取り出すことである。

これらを一連のフローにする。
外部情報は、感覚レジスターを通して、短期記憶に伝わる。そこで、符号化され、長期記憶へと転送される。取り出される際には、長期記憶から検索され、短期記憶へと伝わり、行動に移すのだ。

二重貯蔵庫モデル

記憶は短期記憶と長期記憶の2つの貯蔵庫に入る考えられるモデル
*長期記憶には、顕在記憶と潜在記憶がある。前者は、自身が記憶していることを認識されている記憶だが、後者は記憶にあるかどうか認識していない記憶。
そして、潜在記憶が他の行動に影響を与えることをプライミング効果という。

処理水準モデル

記憶モデルは2つに分けるのではなく、情報の内容によって「浅い」水準から、深い「水準」までと階層化されていると考えるモデル。

ワーキングメモリ

情報を一時的に保ちながら操作するための領域


状況に応じた選択

商品を選択する際にも、本来のイメージが植え付けられているため、それを元に判断もする。その1つが、態度。

態度

態度とは、「ある対象に対して、好意的あるいは非好意的に一貫して反応する傾向」のこと。要はイメージ。態度の対象は企業、ブランド、店舗、広告など。
態度は認知的成分感情的成分行動的成分で成り立つ。
これらは、一時的ではなく長期に渡って持続する。

態度の機能

道具的機能:手段として活用するための機能
自我防衛機能:自己を守るための機能
価値表現機能:自分の価値を表現するための機能
知識機能:知識を得るための機能


多属性態度モデル

多属性態度モデルとは、好き−嫌いの判断ではなく、さまざまな属性から判断することを目的に作られた。例えば、ペットポドルのお茶だと、味や香り、デザインや価格などから考慮すること。
このモデルでは、全ての属性の総和で態度が決まる。

ハイダーのバランス理論

人は様々な外的状況では、深層心理でバランスを保とうとするという理論。
例えば、自分と彼女と彼女の趣味があるとする。彼女は好き、でも彼女の趣味は嫌いをという状況が発生した場合、多くの人はバランスを保とうとして彼女の趣味を好きになる、もしくは彼女と別れるなどの行動をとるのだ。

認知的不協和理論

信念・意見・態度などを含む我々の知識を<認知要素>と呼ぶ。自分の中にあった<認知要素>と、新たに与えられた<認知要素>の情報が矛盾する状態が<認知的不協和>である。人はこの状態を不快に感じ、この矛盾を解消しようとする。このとき、自分にとって変えやすいどちらか一方の<認知要素>の内容を変えることで、協和した状態へ導こうとする傾向があるのだ。

要は、人は腑に落ちないことがあると、自分が変わるか、解釈を変えようとするのだ。


自己知覚理論

自己の内的心理を、自分の行動や周囲の反応といった「外的手がかり」から判断すること。これを利用したのが「フット・イン・ザ・ドア」テクニックである。セールスマンの要請でドアを開けたのだが、あたかも自身が商品の説明を聞きたいのだと納得して購入してしまうのだ。
これは、自身の内的心理や行動は必ずしも把握できているわけではないということを示す。


消費者に影響をもたらすもの

消費者とマスコミとの関係は強い。

マスコミとの関係

強力効果論

マスコミの宣伝効果は強力であるという論。プロパガンダにもマスコミは利用された。

限定効果論

マスメディアは受けての態度を変化させるというよりも、態度を補強するという論調。

議題(アジェンダ)設定効果モデル

マスメディアは、人々の意見を変えることはできないが、争点を認知させることはできるという論調。






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